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組長が小生より将棋が強いことはたしかです。しかし,感想戦で,毎回勝っているという主張だけを押し通す姿勢は,負けた事実にかんがみて,虚勢を張っていると言わざるを得ません。しかも,投了するのがいやで,勝つまで際限なく手を戻すというのなら,コンピュータと指すべきしょう。
なるほど,定跡手順によって中盤で優位を築いて勝ちを収めることは,ひとつの理想的な指し方といえますが,一流棋士の勝負を見ると決してそうではないことが分かります。
大山康晴十五世名人,米長邦雄永世棋聖,谷川浩司九段,羽生善治名人らの志向は,定跡手順で中盤に優位を築くのではなく,むしろ,複雑な局面に持ち込んで,相手が間違うように仕向けるというものです。彼らは他の棋士に比べ,とりわけ終盤力が優れていて,複雑な寄せ合いでこそ実力を発揮します。ゆえに,定跡の研究だけで勝とうとする考えは,必要条件ではあっても,十分条件ではなく,根本的に誤っているということです。
将棋の本質については,木村義雄十四世名人の言葉が言い尽くしているでしょう。「やや不利はやや有利に、やや有利はやや不利につながるがこれはたいしたことではない。絶対有利が最大の危機であり、絶対不利は絶対有利に通じる。勝負は最後の一手を指し終えた時に決まる。」
感想戦においては,まずは敗着の意味を共有し合うことから,互いを認め,人間的な成長が生まれるのではないでしょうか。老婆心からあえて言うならば,四間飛車ばかり指しているため,仕掛けの周辺しか眼中になく,これが終盤に自玉を顧みない遠因になっているように思われます。やはり将棋は,相居飛車を指すべきです。大山十五世名人は,若かりしころは相居飛車が圧倒的に強く,これが晩年の振り飛車でも基礎になっています。
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